芥川賞作家平野啓一郎はなぜ小説で未来を予言できるのか

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いろいろな人のインタビューを聴いていますが話の中で受け取る言葉からの頭の中の情報処理と展開の仕方には大きく2つあるような気がします

一つは想像すること

言葉から連想して映像が浮かぶのですが、映像が浮かぶというのは大なり小なりイメージがあるってことで、自分自身の体験と結びついているのではないかと思います

もう一つは思考すること

これは言葉が文字となって頭に残るとい感じかな、明確な映像はないがその言葉に連鎖して次々に思いが結びついたり、どんどん染み込んで層から次の思いが絡まっていく、そんな感じどす!_φ( ̄ー ̄ )・・・

作家の方のインタヴューは言葉が芸術的で表現力が豊かなので自ずと思考モードになってしまいます

どちらが好きかといえば、僕は結構思考型が好きだったりします、直感的に映像が浮かばなくても言葉のひだが気になるような感覚です

今日のインタヴューは作家の平野啓一郎さん

ジャンクな言葉に囲まれた現代心を解放するものとは

平野啓一郎さん
活字離れの時代と言われますが、文字を読む(製本されたものではない)という意味では今まででは考えられないくらい毎日多くの文字を読む時代です、そしてその多くがジャンクな言葉の洪水です

良い文章を書き続けるには良い文章に触れ続けることだが大切だと氏は言います

良い音楽や芸術に触れることも重要だとも

そういった活字や芸術との対話が心を解放するということでしょう

平野氏の文章の原点は子供の頃に国内外を問わずに触れた名作だと言います

小倉(北九州出身)の田舎の少年が感じる悩みや考えと同じことを語るノーベル文学賞作家や、時代や国境を超えた偉大な人たちの綴る言葉に当時の少年が共感を覚える奇跡を感じたそうです

平野啓一郎さん
家や学校では理解してもらえない感情を名作に見つけた時、偉大な画家の悩みが俺と同じことを考え言っていると解った時に感じた感覚が忘れられないんですよ

相手を非難せずに主張を行う小説家の仕事観

人の意見をちゃんと聴く事

平野さんの作品の中には社会的な作品が多く、時としては共感だけでなく反発を受けるものもあります、そういった中で小説を書き続ける意義は一体なんなのでしょうか?

意見や考えが対立している人がなぜその主張をしているかをちゃんと聴き調べる、その上で彼らが共感を覚えてくれるような書き方はどうするべきかを考える、小説は手段のようなものなのかもしれません

インタヴューを通じて感じるのは平野さんの作家活動とはそういったことではないかと感じます

語りだす小説の中の登場人物、マイノリテイーの主張
平野啓一郎さん
登場人物には皆善も悪も併せ持っている。例えば端役の一人の存在がメインストーリーの展開上必要な悪性を持っていたとしても一方的な悪には仕立てない、小説で端役の彼には彼のバックボーンがある事を考えながら書いてゆきます

小説はある「人」を描くことから物語は始まる、もともと「個」である以上始まりは誰もがマイノリティであると規定出来とも言われてます。

そしてその人物がたとえマイノリティであり続けてもそれだけで終わらせたら小説にならない

一人の作家が生み出す登場人物が織りなす世界、彼らの思惑や疑問や悩みは個人の作家の考えや多面性を代弁しているのかもしれません

時に作家の言葉が芸術的で思考型であり映像に結びつかないのは作家の話の全てが体験からくるものでなく多くは創造されたものであり、そういった表現能力を持つ作家が語る言葉だからなのかもしれません

それでも言葉でそれぞれの思考を紡がせる技術、良い作家というのはそういう技術を持った人たちなのでしょう

なんせ表現がハッとする言葉の連続なのです

小説が未来を的中させる理由

平野さんの小説の展開は時として未来予想の小説と言われています

例えば秋葉原など無差別殺人事件や、イスラム国の残虐な斬首映像、直近の難民問題などは社会表面化する以前に小説の展開として登場しています、その読みや洞察力ようなものはどうしてなのでしょう?

人は変えられるのは未来ばかりと考えているかもしれないが、だけど実際は未来は常に過去に変えれれているのです。 過去をどう規定するのか、それは常に同一ではなくて思い出すたびに上書きされています、情報によって違った見え方をする/speech_bubble]

過ぎ去った過去にどのように対応したのか?

体験した過去についてどれだけ客観的な事実を知っているのか

過去の定義によって未来は変わる、そういった見方をすれば未来も見えるようになってくる

トラウマという言葉がありますがトラウマを感じているのは過去の体験をした時でなく未来である今であるともいう言葉がとてもわかりやすい。

 

溢れる情報や多様な価値観のある世間の接点として共感しあえる小説ってコミュニティー目に見えない人達とのコミニュティーじゃないかと思います

その中で今回の心の持ちようは極めて大切、より良きコミュニティの運営にも非常に参考になるインタヴューでした

平野さんの新刊、上質な恋愛小説でありながらジャーナリステイックな視点で現代をズバリと言い当てているとの評判です

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ono@comima.info

おのやすなり 日本コミュニテイー・マーケテイング研究会(通称コミマ) 代表 「社員のための社長史」「現代から見たあなたの過去と未来」「my life my art」などライフストーリーを伝えたいメッセージに変換し、発信を行っています。 1964年生まれ:大学卒業後、宝飾・アパレルチェーンにて、ストアマネージャー、エリアマネージャーとして勤務。その後温浴レジャー事業プロジェクトを計画していた企業に転職。取締役事業部長として複数の温浴施設、飲食店の開発、運営に携わる。 組織運営、顧客との関わりの中で重要な「理念」を伝えることを目的として会社設立。

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