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トト姉ちゃんの告白
この本はそんなに売れないと思います。私たちは貧乏ですから売れないと困りますけど、それどころか何十万も、何百万も売れたらどんなに嬉しいかと思いますけど、いまの世の中に、何十万も売れるためには、私たちの、したくないこと、いやなことをしなければならないのです(暮しの手帖 創刊号あとがき抜粋)
元博報堂の黒澤晃さんのブログに紹介されていた記事である
マーケテイングの概念が変わり問われるセンス
創刊以来70年続く雑誌「暮しの手帖」創刊号のあとがきの抜粋である
あとがきの前段には創刊に当たって幾晩も徹夜をし、体力的にきつかったけどその創作はとても楽しかったということが書かれている
もちろん今の世の中とは70年前の今である
この70年多くの雑誌が発刊されそして廃刊になった
メデイアは新聞、ラジオ、テレビからインターネットへと移り変わった
商売は「売りたいもの」から「売れるもの」への発想が加速を続け、飽食の時代がやってきた
そして「売れるもの」はなくなった
時代は一巡をして「売りたいもの」が売れるようになった
思いは共感として伝わる、思いなきものはもう欲しくはないのだ
出典:amazon
「天才的ひらめき」というセンスはもういらない
マーケテイングは市場の気持ちを捕まえて形にして売ることが仕事
「天才的なひらめき」というセンスよりも「多くの情報をうまくつかむ」センスが必要な社会だと黒澤さんは言う
まさにインキュベーターの時代、情報を取捨選択し編集ができるセンスが重要である
そういったセンスは一体どうやって磨けばいいのだろうか?
出典:amazon
これからは「疑うセンス」を磨くことだ
その答えの一つはHOW型人間からWHY型人間になる必要があると黒澤さんはいう
アップルはなぜこういったコンピューターが必要なのかという発想からモノを作る
WHYの矛先がライフスタイルに対して徹底されているのは有名な話だ
昔のSONYもそういった風土があったというが今は疑問だ?
スペックや企業の押し付けではない商品展開ができなければ淘汰される
”インテル入ってる”とか”〇〇ギガ搭載”なんていうスペック中心のCMは見なくなりヒューマンなCMが中心になっている気がしますね
マインドをオープンすることができるか
博報堂という日本を代表するエージェントのコピーライターだった立場から、今のエージェントは一体誰のエージェントか?という発想で考える
ソーシャルマーケテイングを解りやすく説明してください
企業にとって絶対的に必要なのは成果を上げること
これはとても解りやすい説明です
もちろん結果は利益ですが、利益が理念であっては淘汰されてしまう
社会的な貢献があって初めて利益が生まれるというロジックが必要になってくる
先のエージェントの立場で言えば、社会にとって良い企画を企業が買いに来る時代なんだそうです。
そういった意味で社会のエージェントが広く求められている時代であるともいう
また、企業で働くサラリーマンもそういった発想が重要で、企業戦士じゃなくて良き社会戦士が結果的に企業に利益をもたらす社会に変わってきているのだろうと感じます
いまの世の中に、何十万も売れるためには、私たちの、したくないこと、いやなことをしなければならないのです
70年前から続く苦悩は少しづつ変わってきています
そして売れなくても楽しければいいという思いで創刊した雑誌は今も現役で発刊され続けています
やっと時代が追いついたのかもしれません
ono@comima.info
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