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「才能の源泉」は労働者の誇りを取り戻すという「使命」
バリスタの誇り
スターバックスの快進撃の原動力は“人”です、アメリカ風に言えばカウンターの後ろに居るのは未熟練労働者にカテゴライズされるであろうバリスタ
彼らにコーヒーを入れる芸術家として、一人一人の好みに合わせてカプチーノやカフェラテを立てるオーケストラの指揮者のような自信と誇りを植え付けました。
シュルツは成功を収めた後一旦CEOを退任しています。
その後危機に陥った際に復帰をしますがその際に真っ先に行ったのは全米のお店を一斉に閉店してバリスタ研修を行うことでした。
1万店を一斉に休むのはグローバル企業として大きな損失を意味します。
経営危機に瀕した中で反対を押し切り業績の傾きを立て直すにはバリスタの技量と誇りと自信である事を示すために敢行します
スターバックスの理念 健康保険制度
事業を引き継いで間もなく行った事は週に20時間以上働く従業員はパートタイマーであっても健康保険の加入を認めました。
株主至上主義で経費のカットを行えない企業は競争力が無いとみなされる1980年代のアメリカでその決定をしてそれが伝統になります。
その後立て直しの為にCEOに復帰した際も苦悩しながらもこの基本路線は貫きます
出典:amazon
父親の様な人が人間として誇りを持って働ける企業や社会を創る事、シュルツ氏は父親を救いたかった人なのです、バリスタのように自分の仕事に誇りと意義を見出せる仕事を人間として尊厳をもって信頼関係を築ける企業を創る事が使命だったのです。
スターバックスの理念 ビーンストック
もうひとつ「人」を大切にする具体的な制度にビーン・ストックと呼ばれる持ち株制いわゆるストック・オプションですがあります
ビーンストックとは、スターバックスのストックオプション制度。スターバックスは当時株式を公開していなかったにも関わらず、ストックオプション制度を導入する。
対象は経営トップからバリスター(コーヒー淹れ職人、コーヒー版バーテンダー)に至る全社員で、それぞれの基本給に応じて自社株購入権が与えられ全社員が経営のパートナーになった
シュルツ氏の切望感、“貧しさからの脱出”それは自分一人では無く自分の家族や、ブルックリンのベイビュー・プロジェクトに住み母親に見守られながらバスケットに興じる子供たちが等しくそこから抜け出し平等にゴールテープを切れる世界、間違っても一部の成功者が傲慢に振る舞い貧しい者にチップをケチるような世界であってはならなかったのです。
スターバックスが「創り上げた世界」サードプレイス
ベンツで乗り付けてお店にやってくる人、一日の稼ぎの一部を割いてお店を訪れる人、サードプレイスであるスターバークスではどんなお客様もみな平等に誇り高きバリスタが好みのドリンクを芸術的に平等に創りカスタマイズしてくれます。
コーヒーの香りを楽しめるゆったりと過ごす空間で誰でもがちょっとした手に届く贅沢を楽しむ平等な場所であると述べています
シュルツ氏がスターバックスを成功させたのは“父親への思い”“人は平等であるという思い”“誰もが少しの贅沢ができる世界であれという思い”です。
それによって創りだされた空間は言葉の壁や習慣を乗り越え世界中のパートナーにもお客様にも共感を得るという事を学びました
ono@comima.info
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