インタビュー記事の感情の入れ方

自分史のススメ

人様のお話を聞かせていただく、インタビューをする、取材をもとに原稿を書き起こす際にいつも悩むことがあります。

聞いてきた言葉をそのまま文章にしても伝わらない場合は一体どうすればいいんだろうか?

これはインタビュースキルの問題もあると思います、言葉の意味やその人が感じた感情をその場で掘り下げることのできる技術です。

プロのインタビュアーは、インタビューをしながら文章の構成ができているのかもしれません、聞くことのプロはどういった事に心がけて人の話を聞いているのでしょうか?

 

 

横に立ち肩を並べて同じ風景を見ること

知人に聞くことのプロという人がいます。

彼はもともと会社の経営者でしたが、多くのクライアントや部下の話を聞くことが事業の重要な業務の中で、聞くことのスペシャリストとしてそのスキルを特にビジネス界に向けて発信指導に特化したビジネスを新たに立ち上げて活躍されています。

その一つに、相手の横に立ち同じ風景を眺める事と教わった事があります

話を聞くときは、相手の斜め前に座りますが気持ちは相手の横に立って、相手と同じ風景を眺めながら話をするのだそうです。

相手が時代、時代、場面、場面で見ている風景を同じ目線で眺める事、そっと寄り添うように横に立ちその人の話をビジュアル化する事で同じ感情を共有する、掘り下げるというのは今こんな風景が見えていますがそういう事ですか?と確認をする事で理解が深まります。

 

相手をリスペクトする気持ちが前提

私は時々きっとこれはこういうことなんだろうな等と思いながら文章にすることがあります。個人史などを代筆で文章を書く際に、感情移入を行い自分の言葉で文章を書いてしまうことの良し悪しと許容範囲はどこまで許されるのかを悩むことがあるのです。

 

多くの会社の社史や経営者の自叙伝、自分史のプロヂュースを手掛けてこられた方のお話をお伺いできる機会があり、ある質問を聞いて頂きました。

原稿を書く場合に感情移入のあまり文章を創作しても良いのでしょうか?

それはよくあることです、まず絶対に大切なことは相手のことをリスペクトする気持ちがあること、それからそのときに相手がどう感じていたかの感情を聞き出す癖を身につけることですね。

それでもやはり失敗をする事はあるそうだ

ある工芸品の作家さんにインタビューを行い、その方の作品や生き方に共鳴して渾身の文章を書き上げた、しかしその方に原稿を見せると急に機嫌が悪くななったそうだ

この方の作品の芸術性を評価し、芸術家としての生きざまを文章にしたのだが、本人は芸術家ではなくクラフトマンとして誇りを持っておられたそうなのだ。

このお話を伺ってなるほどなと感じた

芸術作品と工芸品、この言葉の中にどれほどの違いがあるのかは捉え方によって大きく変わるだろう、しかしご本人の作る作品は芸術品ではなく工作物としての緻密な技術を伴った仕事でありそこに誇りを持っておられ芸術という抽象的な評価のされ方を嫌ったのかもしれない。

その方のお話を伺いそんな風に感じました。

原稿は1から書き直しをしましたよ

リスペクトをしていても、その仕方やポイントによって評価は変わる。

プロ中のプロと言われる方でも多くの失敗を重ねておられるのだから、極めてナイーブな仕事だと思います

人が人の感情を表現する、そこには完璧なものは存在しないだろう。

それでも人それぞれのドラマの一つ一つが面白い、それぞれのストーリーをその人の横に立って眺めて見ると100%同じ体験はできないがとても興味深いのだ。

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ono@comima.info

おのやすなり 日本コミュニテイー・マーケテイング研究会(通称コミマ) 代表 「社員のための社長史」「現代から見たあなたの過去と未来」「my life my art」などライフストーリーを伝えたいメッセージに変換し、発信を行っています。 1964年生まれ:大学卒業後、宝飾・アパレルチェーンにて、ストアマネージャー、エリアマネージャーとして勤務。その後温浴レジャー事業プロジェクトを計画していた企業に転職。取締役事業部長として複数の温浴施設、飲食店の開発、運営に携わる。 組織運営、顧客との関わりの中で重要な「理念」を伝えることを目的として会社設立。

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